介護コラム
グループホームとは?仕事内容や一日のスケジュールを徹底解説
介護福祉士
介護職
超高齢化社会に突入し、昨今、介護施設も多様化しています。 介護施設と聞くと老人ホームを思い浮かべる方も多いかと思いますが、実は老人ホームよりも入居者が少人数で、入居者とのコミュニケーションが取りやすい施設が。 それが、「グループホーム」です。 グループホームという言葉は聞いたことあるけど、どういった形態の施設で、仕事内容はどんなものなのか、と疑問をお持ちの方もいらっしゃるでしょう。 そこで今回は、グループホームとは一体どのような施設なのか、という説明から始まり、グループホームでの仕事内容、グループホームで働くメリット・デメリットなどをご紹介します。
グループホームとは
グループホームとは、介護福祉施設の一種。
最大の特徴としては、認知症の高齢者が介護スタッフのサポートを受けつつ、5~9人のユニットで共同生活するという点です。
また、それぞれの入居者は、能力に応じて料理や掃除といった仕事を担当します。
ひとつの施設につきユニットは原則2つまでと決められており、ひとつ屋根の下、どんなに多くても18人の高齢者が生活することになりますが、少人数に限定されるのには、理由があります。
認知症の方は、新しく出会った人や、新しいものを覚えることが難しいことが一般的。
100人単位の老人ホームなどでは人が多すぎて、認知症の方が落ち着いて生活できる場所とは言えませんし、こういった状況は認知症を悪化させてしまう可能性もあります。
そのため、認知症の方の症状を遅らせ、安心して生活できるよう、グループホームが設けられたのです。
グループホームでの仕事内容
そんなグループホームでのスタッフの仕事は、「介護」というよりも「日常生活のお手伝い」が中心となります。
例えば、料理や掃除・洗濯などの家事を一緒に行う生活援助や、買い物や病院に付き添う外出援助などがそれにあたります。
必要な場合は、食事介助・排泄介助・入浴介助などを行うことも。
グループホームでは、入居者のできることを尊重し、どうしてもできないことをスタッフがお手伝いするというのが基本スタンスであるため、一般的な老人ホームなどよりは要介護度が低くい場合が多いのが特徴です。
グループホームでの一日のスケジュール
グループホームの多くは、早番・日勤・遅番・夜勤の4交代制をとっています。
今回は、日勤場合のスケジュールを例に挙げてご説明します。
【8:30】出勤・申し送り・バイタルチェック
朝、グループホームに出勤したら、まずは夜勤から申し送りを受けます。
その後、入居者のバイタルチェックを行い、血圧や脈拍、体温などを計測し、その日一日問題なく過ごせるかを確認します。
【10:00】散歩・買い物
入居者と一緒に、散歩をします。
日によっては、ついでに昼食に使う材料などの買い物を済ませることも。
【11:00】昼食の準備
散歩から戻ったら、昼食の準備です。
入居者が昼食の準備を安全に行えるように見守ります。
入居者がどうしてもできない作業は、スタッフがお手伝いをする場合も。
【12:00】昼食
入居者と一緒に配膳し、昼食スタート。
必要な入居者には、食事介助を行います。
食事が終わったら、片づけをし、口腔ケアや服薬介助を。
【13:00】入浴
グループホームでの入浴は、お昼であることがほとんどです。
入浴の前にバイタルチェックを行い、入居者が問題なく入浴できるかを確認。
必要な方には、入浴介助を行います。
【15:00】おやつ・レクリエーション
入浴後は、一緒におやつを囲み、団らんを楽しみます。
おやつの後に一休みしたら、簡単なゲームや体操で入居者の心と体をリフレッシュ。
【17:00】申し送り・退勤
夜勤担当が出勤したら申し送りをし、退勤します。
グループホームで働くために必要な資格
グループホームで働くスタッフにおいて、介護の資格や介護の経験の有無は問われません。
そのため、無資格・未経験から働くことができます。
実際に無資格・未経験を歓迎している職場も多くあり、これから介護について学んでいきたい方にはぴったりの仕事です。
グループホームでの経験を生かして介護関連の資格を取り、将来的にステップアップとして要資格の施設に転職することもできます。
「介護の仕事をしたいけど、現時点では何も資格を持っていない」という方は、グループホームのスタッフにチャレンジしてみてはいかがでしょうか。
グループホーム介護職の給与相場
平成30年度の介護職員の平均給与額は、30万970円との調査結果から、グループホームのスタッフの給与相場は、月額で20~35万円、年収にすると240~420万円と言われています。
ただし、こちらは資格の有無や勤続年数によっても上下するでしょう。
グループホームで働くために必要な資格は無いとお伝えしましたが、給与を上げるためには介護関連の資格を取得しておくと良いかもしれません。
参考:厚生労働省「第28回介護事業経営調査委員会資料一式」
グループホームで働くメリット・デメリット
ここまでグループホームの仕事内容や給与についてご説明してまいりましたが、グループホームで働くメリットやデメリットも気になる点かと思います。
具体的なメリット・デメリットをご紹介しますので、職場選びの参考にしてください。
グループホームで働くメリット
グループホームで働くことのメリットは、やはり入居者一人ひとりに寄り添った介護ができる点ではないでしょうか。
グループホームは入居者が最大でも18人であるため、スタッフと入居者の距離が近いです。
そのため、各々の介護による反応・効果が手に取るようにわかり、モチベーションが上がる可能性もあります。
また、グループホームは要介護度が比較的低いことから、入居者と料理や買い物などを一緒に楽しむことができるのも、ここで働くメリットと言えるでしょう。
一日に多くの入居者を忙しなく介助する老人ホームなどと比べると、一人ひとりとの時間が取りやすく、信頼関係が芽生えやすい点も、働く意欲に繋がるメリットです。
グループホームで働くデメリット
グループホームで働くデメリットとしては、精神的に辛くなる時があるかもしれない点が挙げられるでしょう。
グループホームの入居者は比較的要介護度が低いとはいえ、認知症の方です。
中には徘徊がひどかったり、介助されることを嫌がったりする方もいます。
もちろん、認知症ですから、何度顔を合わせていても自分のことを覚えてくれない方もそう珍しくはありません。
こうした状況に立たされると、ふと虚無感に襲われることもあるはず。
ただし、入居者にどのような対応をされても「認知症の方に寄り添って支えていく」という強い意志があれば、ご説明したようなデメリットも吹き飛ばせるでしょう。
一人ひとりに寄り添えるグループホームで介護業界に足を踏み入れよう
グループホームは、入居者との距離が近く、一人ひとりとコミュニケーションが取りやすいのが特徴です。
また、ここで働く上で、資格の有無は問われません。
「資格は無いけど、介護の仕事をしてみたい」「サポートが必要なお年寄り一人ひとりに寄り添いたい」という方は、少人数制のグループホームでの仕事がぴったり。
グループホームで経験を積めば、ステップアップも可能です。
介護の仕事に興味がある方は、まずはグループホームから始めてみてはいかがでしょうか。
メディケアキャリアで
北信越の介護職求人を探す
関連記事
-
ケアマネージャー(介護支援専門員)とはどんな仕事?役割や仕事内容を解説
介護福祉士
介護職
更新日:2024年11月08日
ケアマネージャー(介護支援専門員)とはどのような資格か、役割や仕事内容などを紹介していきます。
詳しく読む
-
介護職員初任者研修の資格とは?取得するメリットや方法を解説
介護福祉士
介護職
更新日:2024年11月08日
介護職員初任者研修の資格について、旧ヘルパー2級から変更になった点や資格取得の方法、資格を持つことで得られるメリットなどを詳しく説明します。
詳しく読む
-
介護福祉士になるにはどうすればいい?仕事内容や資格取得方法も紹介
介護福祉士
介護職
更新日:2024年11月08日
介護福祉士が担当する仕事の内容を紹介するとともに、資格の取得方法についても詳しく紹介します。
詳しく読む
-
ヘルパー2級が介護職員初任者研修に変わった理由は?違いや仕事への影響を解説
介護福祉士
介護職
更新日:2024年10月10日
ヘルパー2級が介護職員初任者研修に変わった理由や、名称変更によって出る影響などについて、詳しくご説明します。
詳しく読む
-
更新日:2024年11月08日
ケアマネージャー(介護支援専門員)とはどんな仕事?役割や仕事内容を解説
介護福祉士
介護職
ケアマネージャー(介護支援専門員)とはどのような資格か、役割や仕事内容などを紹介していきます。
詳しく読む -
更新日:2024年11月08日
介護職員初任者研修の資格とは?取得するメリットや方法を解説
介護福祉士
介護職
介護職員初任者研修の資格について、旧ヘルパー2級から変更になった点や資格取得の方法、資格を持つことで得られるメリットなどを詳しく説明します。
詳しく読む -
更新日:2024年11月08日
介護福祉士になるにはどうすればいい?仕事内容や資格取得方法も紹介
介護福祉士
介護職
介護福祉士が担当する仕事の内容を紹介するとともに、資格の取得方法についても詳しく紹介します。
詳しく読む -
更新日:2024年10月10日
ヘルパー2級が介護職員初任者研修に変わった理由は?違いや仕事への影響を解説
介護福祉士
介護職
ヘルパー2級が介護職員初任者研修に変わった理由や、名称変更によって出る影響などについて、詳しくご説明します。
詳しく読む