介護コラム
ヘルパー2級が介護職員初任者研修に変わった理由は?違いや仕事への影響を解説
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介護士をされている方の中には、「ヘルパー2級」の資格をお持ちの方も多いでしょう。 しかし、2013年4月に介護保険法施行規則改正が行われた際、ヘルパー2級の資格は廃止に。代わりに、「介護職員初任者研修」という資格が出てきました。 今既にヘルパー2級を持っている方でも、改めて介護職員初任者研修を受ける必要があるのでしょうか。 今回の記事では、ヘルパー2級が介護職員初任者研修に変わった理由や、名称変更によって出る影響などについて、詳しくご説明します。
ヘルパー2級とは?なぜ介護職員初任者研修に変わった?
ヘルパー2級(ホームヘルパー2級)とは、2013年3月末まで介護職員基礎研修のひとつに含まれていた資格です。
2013年4月に介護保険法施行規則改正が行われ、ヘルパー2級は「介護職員初任者研修」に変更されました。
ヘルパー2級が廃止され、介護職員初任者研修に変更になった理由には、「介護資格制度の明確化」が挙げられます。
介護保険法施行規則改正が実施されるまでは、ヘルパー2級をはじめ、多くの介護資格がありました。
当時、介護職を目指す方の中では、より多くの介護資格を取得したほうが良いという考え方が一般的で、各々、資格ごとに設けられた研修を受講していましたが、研修内容には重複するものも多く、無駄が多いと言わざるを得ない状況だったのです。
また、介護資格のうち、唯一、国家資格である介護福祉士の受験資格も複雑を極め、どの資格が介護福祉士の受験に必要であるのかがわかりにくい状況でした。
煩雑な介護関係の資格制度は、介護士のキャリアアップの妨げになると考えられたため、「介護職員初任者研修」→「実務者研修」→「介護福祉士」→「認定介護福祉士」といったように、一本道のキャリアパスが作られたのです。
その結果、廃止された資格のひとつが、ヘルパー2級ということになります。
ヘルパー2級と介護職員初任者研修の違い
ヘルパー2級と介護職員初任者研修の大きな違いは、
- 施設学習が廃止された
- スクーリング時間が変更された
- 筆記試験が導入された
以上の3点が挙げられます。
具体的な内容とカリキュラムは、以下をご覧ください。
【ホームヘルパー2級のカリキュラム】
受講時間 | 130時間 |
講義 | 58時間 |
実技スケジューリング(通常講習) | 42時間 |
施設実習 | 30時間 |
修了試験 | なし(全課程修了後、資格取得) |
【介護職員初任者研修のカリキュラム】
受講時間 | 130時間 |
講義(自宅学習) | 40時間 |
実技スケジューリング(通常講習) | 90時間 |
施設実習 | なし |
修了試験 | あり(修了試験に合格後、資格取得) |
カリキュラムをご覧いただけばわかるように、ヘルパー2級の際に行っていた30時間の施設実習がなくなり、学校の学習のみで資格取得ができるようになりました。
ただし、施設実習がなくなった代わりに、介護職員初任者研修では、スクーリング時間(学校での授業)が90時間に増えたことがわかります。
さらに、介護職員初任者研修では、研修の全課程修了後に筆記試験による評価が導入され、それに合格してはじめて資格所得になるのも、ヘルパー2級と異なる点です。
名称変更によって職務に影響は出る?
ヘルパー2級と介護職員初任者研修は、異なる点がいくつかあるものの、名称変更が行われただけの同等の資格とみなされることが多いです。
しかし、名称変更によって仕事に影響があるのではないかと不安になる方も多いはず。
ここでは、ヘルパー2級から介護職員初任者研修へ名称が変更になって出る影響について、ポイントごとにご説明します。
仕事への影響
ヘルパー2級から介護職員初任者研修に変更になったことで、仕事に影響が出ることはありません。
ホームヘルパー2級の資格取得者も、介護職員初任者研修修了者も、同等の知識や技術を持っているとされるため、以前ヘルパー2級の資格を取ったという方でも、介護の現場では同じ内容の介護サービスを提供できます。
履歴書における資格の効力
今後転職などを考えている方は、「履歴書にホームヘルパー2級と書いて、効力はあるの?」と疑問に感じますよね。
しかし、履歴書においてもヘルパー2級と介護職員初任者研修は同等の資格効力を発揮するため、履歴書にホームヘルパー2級と書くことには何も問題はありません。
資格を取り直す必要性
2012年までにヘルパー2級の資格を取得している方が、改めて介護職員初任者研修の資格を取り直す必要はありません。
ホームヘルパー2級と介護職員初任者研修は同等の資格であるため、資格を取り直さなかったからといってデメリットはないと考えてOKです。
ただし、職場によっては改めて介護職員初任者研修を受けてほしいと言われる可能性はゼロではないことを覚えておきましょう。
介護職員初任者研修を修了することのメリット
介護職員初任者研修を修了することには、多くのメリットがあります。
特に未経験の方や、無資格の方にはそのメリットが大きく感じられるでしょう。
具体的には、以下のようなメリットが挙げられます。
応募できる求人の幅が広がる
介護職の求人には、「介護職員初任者研修修了者」という条件が設けられている求人も多いです。
また、資格を持っていなくても、就職後にこの資格の取得を必須としているところも。
そのため、あらかじめ介護職員初任者研修を取得していたほうが、応募できる求人の数が増えるのです。
また、介護職を志望するにあたり、事前に介護職員初任者研修を修了したことが熱意として伝わり、就職活動において採用担当者に好印象を与えられる可能性もあります。
資格手当がつき、給与アップに繋がる
介護職の給与は、基本給のほかにも、資格などの手当がプラスされることが多いです。
介護職員初任者研修においても、取得していれば資格手当が支給される可能性が高いため、給与アップを目指すのであれば介護職員初任者研修を修了しておくと良いでしょう。
介護業界のキャリアアップに繋がる
冒頭のほうでもお伝えしましたが、2013年の介護保険法施行規則改正により、介護職のキャリアアップの道がわかりやすく整えられました。
その入門であるのが介護職員初任者研修、その上位資格に実務者研修、さらに上に介護福祉士と続いています。
介護職員初任者研修で身につけた知識や技術を現場で生かすことで、将来的にはマネジメントする立場で事業運営に携わることも可能ですし、もちろん、国家資格の介護福祉士を目指す第一歩にもなります。
介護職員初任者研修をステップ台として介護福祉士の資格を取得すれば、さらにキャリアアップの道が広がるでしょう。
介護職員初任者研修を修了し、今後のキャリアの幅を広げよう
ヘルパー2級を既に取得している方は、その資格が廃止になったことで「改めて介護職員初任者研修を受けなければいけないのでは…?」と不安になっていた方も多いでしょう。
しかし、今回ご説明したように、ヘルパー2級を取得している方は、改めて介護職員初任者研修を修了する必要は、基本的にはありません。
一方、無資格の方の場合は、介護士の入門資格である介護職員初任者研修を修了すれば、今後のキャリアが広がります。
介護職を希望しているけど特に資格を持っていない、という方は、介護職員初任者研修を受講し、キャリアアップの土台固めから始めてみてはいかがでしょうか。
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