介護コラム
ICT活用で介護現場はどのように変わるか?メリットや必要性を解説
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今後ますます需要が高まると考えられる介護の現場にICTを活用することが、政府によって推進されています。
ICTを活用することで、業務の効率化が図れ、介護人材の確保や介護サービスの質の向上が期待できます。ICT活用で介護の現場はどのように変わるのかを、具体例やメリットとともにお伝えします。
医療・福祉サービスの確保に有益とされるICT
数年前から、政府は未来投資会議構造改革徹底推進会合において、さまざまな分野でICT化を推進してきています。2019年には、厚生労働省が「未来投資会議構造改革徹底推進会合(健康・医療・介護)」において、「介護分野のICT化、業務効率化の推進について」をまとめました。
そのなかの「労働力制約が強まるなかでの医療・福祉サービスの確保」の4つの改革のひとつとして、「ロボット・AI・ICT等、データヘルス改革」が挙げられています。
ICTはITに情報の伝達・共有技術をプラスしたもの
前述の資料においてロボット・AI(Artificial Intelligence:人工知能)と並んで記されたICTは、「Information and Communication Technology」の略です。日本語では「情報通信技術」と呼ばれます。
ICTより前に広まったIT(Information Technology)に、情報の伝達や共有の技術をプラスしたものと考えるとよいでしょう。
ICTを活用できる業務
ICTは介護現場のさまざまな業務や場面で活用できます。
ここでは、主な活用例をご紹介します。
介護記録・サービス実施記録
介護記録やサービス実施記録などを紙媒体でつけている場合は、介護の合間や終了後に書き込むことになり、介護に集中しづらい、終了後に記録する時間が取れない、事業所に戻って記録するため定時に終われないといった問題が出てきます。
しかし、持ち運べるタブレットやスマホの音声認識機能を利用すれば、「入浴介助開始」や「入浴介助終了」などと言うだけで記録が入力できるので、介助の手を休めることなく、介助と同時に記録をつけることができます。
また、それらの記録データをその場で送信すれば、瞬時にほかのスタッフと情報を共有できるうえ、業務終了後に事業所に戻る必要もありません。
勤務表、シフト表などの管理・作成
少ないスタッフで効率よくサービスを提供するためには、どのように人員を割り振るかが重要です。
しかし、それを考え、勤務表・シフト表を作成するには、かなりの手間がかかります。
そこで、各スタッフのスキルや勤務に入れる時間帯などのデータと、一部のスタッフだけに負担が偏らないようなルールを設定し、シフト表を自動的に作成できれば、管理者の負担を大いに減らすことができます。
また、スタッフが各自のスマホやパソコンからシフト表を確認できれば、連絡ミスや確認ミスなども防ぐことが可能です。
利用者の行動の見守り
自宅や施設などで介護している場合、24時間つきっきりで見守ることは難しいです。
このような場面でのICT活用としては、ベッドの近くに赤外線センサーなどを設置して、常に被介護者の動きを見守ることができるようにすることが挙げられます。
起き上がってベッドから降りようとする、ベッドの柵を越えようとする、といった動きを感知したときに、介護者のモバイル端末へ通知できれば、必要なときにのみ対応できるため、介護者の負担をかなり減らせるでしょう。
ICT活用の3つのメリット
先ほどご紹介したような具体例から見えてくるICT活用のメリットは、大きく3つあります。
1.業務の効率化が図れる
介護現場に限ったことではありませんが、ICTを活用することで得られる一番のメリットは業務の効率化です。
前述のように、音声入力で介護記録の入力と事業所への報告が完了すれば、紙に手書きするより大幅に効率がアップします。
また、センサーによる見守りができれば、従来のように頻繁に被介護者を見回る必要がなくなり、空いた時間で別の作業をすることができます。
2.介護人材を確保できる
業務の効率化が図れるということは、介護者の負担を減らすことにつながります。
同じ人数でも業務量に余裕ができるため、充分に休憩が取れたり、有給休暇を取得しやすくなったりと労働環境が改善され、離職率の低下も期待できます。
つまり、優秀な介護人材を確保できるということもICT活用のメリットです。
ICTを活用して介護人材と質の高い介護を確保する
今後は、ますます高齢化が進むと考えられるため、介護人材不足への対策は喫緊の課題です。
それと同時に、質の高い介護を確保するためには、業務の効率化を図り、介護スタッフへの負担を減らすことが重要です。
これらの課題を解決するためにも、ICTの必要性を認識し、ICT活用をすみやかに進めることを検討しましょう。
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