介護コラム
グループホームの仕事内容とは?必要なスキルや給料などを解説
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グループホームが目的としている高齢者へのサポートは、ほかの介護施設とは少し違います。 2000年に提唱された「ゴールドプラン21」によって、それまでなかった認知症対応型の介護施設を2005年までに3,200カ所に増やすという計画のもと作られたのがグループホームです。 現在では11万人以上の高齢者が利用しており、なくてはならない施設となりました。 そんなグループホームで働く介護職員は、どのような仕事をしているのでしょうか?また資格の必要性や必要なスキル、給料など気になることはたくさんあります。 この記事で詳しくご紹介していきます。
グループホームとは
グループホームとは認知症の高齢者が共同で生活をし、できるだけ自力で日常生活ができるようサポートをするサービスのことです。
認知症の進行を少しでも遅らせ、健康的な日常を送ってもらうことがグループホームの目的なのです。そのためグループホームの職員は、あくまで高齢者のお手伝いをするという立場で接します。
介護保険の分類では地域密着型サービスの一つに該当しており、高齢者が住み慣れた土地で自宅と同じような安心できる環境で暮らせるようになっているのもグループホームの特徴です。
入所の基準
グループホームには「認知症対応型共同生活介護」「介護予防認知症対応型共同生活介護」の2種類があり、介護認定の種類によって入所可能な施設が変わってきます。
認知症であり「要介護1」以上の介護認定を受けている高齢者は「認知症対応型共同生活介護」。
認知症であり介護が必要なわけではないが、少しお手伝いが必要という「要支援2」以上の認定を受けていれば「介護予防認知症対応型共同生活介護」に入所できます。
一つの施設で何人まで入所できる?
グループホームでは5人から9人を1ユニットという単位に定めていて、一つの施設に入所できるのは2ユニット18人までと決められています。
認知症がある高齢者は小さな子供と同じで、予想外の行動をとることもあります。
そのため少人数のグループにすることで職員の目が行き届きやすい、安心できる施設を維持しているのです
なおグループホームでは認知症の症状が急激に悪化した場合や、その他の疾病により病状が悪化した場合は退所しなければなりません。
グループホームの仕事内容
グループホームのスタッフは、あくまで高齢者をサポートするという立場で関わっています。そのため積極的な介護というよりは、見守ったり一緒に楽しんだりすることも大切な仕事といえるのです。もちろん身体的に助けが必要な方へは介助を行います。
1日の主な仕事は次の通りです。
・起床・就寝の際の介助
・着替えの介助
・健康管理(検温などのバイタルチェック)
・排泄の介助
・入浴介助
・食事の準備
・食事の介助
・掃除・洗濯
・レクレーション
一見ほかの介護施設と同じような仕事内容に感じますが、関わり方は大きく異なります。グループホームでは食事の準備や掃除・洗濯、買い物なども基本的に利用者が中心で行います。自らの力でさまざまなことに取り組む高齢者を、前向きに励ましながらサポートしていくのがグループホームでの介護職員の主な仕事なのです。
医療行為やリハビリなどを行うことはほとんどありません。
多くのシフトパターンによる勤務体制
宿泊をともなう介護の現場では24時間体制で、利用者のサポートが必要になります。そのため介護職員はシフト制で1日の職務をこなしています。
介護施設全般にいえることですが、起床や食事、入浴など時間帯には多くの職員が必要になります。バランスよく職務をこなすために介護施設では、勤務シフトの種類が比較的多い傾向にあります。
日本医療労働組合連合会が行った「2019年介護施設夜勤実態調査結果」によると、グループホームのシフト数で多かったのは4通りでした。
特別養護老人ホームや介護老人保健施設では5通りを越える、とても多くのシフトパターンが組まれているのに比べると、比較的少なく職員側の生活サイクルも調整しやすいのが特徴です。
細かな勤務時間帯は施設によってさまざまですが、一例としては次の通りです。
・早番 7時~16時
・日勤 9時~17時
・遅番 14時~22時
・夜勤 16時~翌朝9時
(休憩60分を含む。夜勤の場合は休憩120分。)
急変するような疾病を抱えている方が少ないため、ほかの介護施設に比べ比較的深夜業務の負担は少ないと考えられることから、グループホームの夜勤では1ユニットを1人で担当する場合もあります。負担が少ないといっても、認知症の高齢者の中には深夜に徘徊する方や、排泄など介助が必要な方もいます。
夜勤では責任を持った適切な対処が望まれます。
どんなスキルが求められるのか
グループホームへの就職を希望する場合、介護関連の資格を持っていなければならないわけではありません。もちろん資格を持っていれば就職の際にも有利ですし、専門知識を持って高齢者に接することができるでしょう。高齢者の体に直接触れて介助を行うためには「介護職員初任者研修」を取得している必要があります。介護に関して専門的な知識も身につくので、取得しておくと即戦力の人材として重宝されるでしょう。
しかし利用者と一緒に料理や掃除などを行うグループホームでは、必然的に高齢者との距離も近くなるので、どれだけ円滑なコミュニケーションを取れるかが大切になってきます。そのためには信頼関係を深める必要もあります。明るく、前向きで、いつも元気にサポートできるような人材がグループホームには必要なのです。
給料はどれくらい?
平成30年度介護従事者処遇状況等調査結果によると、介護職員の中でグループホームに常勤する人の平均基本給はおおよそ168,000円でした。また基本給に手当や賞与を含めた給与の平均はおおよそ276,000円となっています。賞与が含まれていることを鑑みても、介護職における手当の割合が非常に高いことを示しています。
資格手当だけでなく夜勤の場合は夜勤手当がつくなど、基本給にプラスされる手当が比較的多いのも介護職の特徴です。
またこれから需要の高まる介護職において、給料の値上げを求める声も多くそれに応えようとする事業所も多くなっているので、これから先基本給そのものが上がる可能性も大いにあります。
高齢者とともにアットホームな空間を作るグループホーム
グループホームは認知症と診断された高齢者が、少しでも進行を遅らせ自立した生活ができるようサポートする施設です。
職員は利用する高齢者が不安にならないよう家族のように温かく接し、ともに楽しめるような環境作りが求められます。特別な知識がなくても働くことはできますが、介護関係の資格があればより専門的な角度から高齢者と向き合えるでしょう。
介護職の中でも高齢者の自立した生活をサポートする仕事をしたいと考えているのなら、グループホームはとてもやりがいのある職場といえるかも知れません。
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