介護コラム
訪問入浴介護の特徴とは?訪問介護との違いやスタッフの職種も紹介
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体を清潔に保つには入浴が欠かせませんが、在宅介護を受けている方の中には、自宅での入浴やデイサービスなどの外部の施設での入浴が困難なケースがあります。このように入浴が困難な方が入浴する方法が、訪問入浴介護という介護サービスです。
そこで本記事では、訪問入浴介護の詳細と特徴、訪問入浴介護を行う職種や訪問介護との違いについて解説します。
訪問入浴介護とは?
在宅介護を受けている方の中には、自宅の浴室や浴槽が狭く、家族やヘルパーのサポートがあっても入浴が難しい場合があります。
訪問入浴介護とは、そのような自宅での入浴が困難な要介護者の自宅に浴槽を持参し、入浴介助を行う介護保険サービスです。またデイサービスなどの施設へ通うのが困難な方なども、訪問入浴介護を利用できることがあります。
訪問入浴介護の特徴
訪問入浴介護は、一般的な施設介護や在宅介護とは異なる介護サービスです。主な特徴として、以下の3点があります。
浴槽を利用者の自宅へ持ち込む
一般的な訪問介護でも入浴介助を行うことがありますが、その際は利用者の自宅の浴室を使用します。一方訪問入浴介護では、専用の浴槽を利用者の自宅へ持ち込むという点が大きな特徴です。訪問入浴車で浴槽などの必要な備品を持ち込み、利用者宅の水道とホースをつないで、訪問入浴車の湯沸かし器でお湯を沸かします。
要介護・要支援を受けている方が対象となる
訪問入浴介護の対象となるのは、要介護1以上の認定を受けている人、かつ、医師に入浴を許可されている人です。実際には9割ほどが要介護3以上といわれ、要介護度が高い方に入浴介助を行うことが多くなります。
要支援1または2の方で、何らかの事情で自宅での入浴が困難の場合は「介護予防訪問入浴介護」として利用できます。
対応する職員の人数が多い
訪問入浴介護は、基本的に看護師または准看護師1名、介護職員2名の計3名で訪問して入浴介助を行うのも特徴です。看護師と介護職員はそれぞれ異なる役割を持ち、入浴のサポートをします。要支援1または2の介護予防訪問入浴介護の場合は、看護師または准看護師と介護職員それぞれ1名ずつで行われます。
訪問入浴介護に携われる職種
前述の通り、訪問入浴介護ができる職種は看護師または准看護師と介護職員の2種類があります。加えて、訪問入浴業務を管理する管理者も、訪問入浴介護に関わる職種です。以下では、それぞれの職種の役割や仕事内容を解説します。
看護師または准看護師
訪問入浴介護における看護師または准看護師の役割は、主に利用者の体調や健康状態、バイタルチェックなどの健康管理を行うことです。
入浴前の健康チェックで入浴可否を判断することに加え、入浴中、入浴後も健康管理を行います。その他にも、入浴前に軟膏などを塗布する保湿ケア、後述する介護職員が主に行う移動や洗体などを行うこともあります。
なお看護師または准看護師になるには、国家資格の取得が必須です。
介護職員
介護職員の仕事は、利用者の入浴サポート全般です。利用者の移動や洗体などの入浴介助はもちろん、入浴車での浴槽をはじめとした備品の運搬や搬入、組み立ても介護職員が担当します。入浴後は、浴槽の洗浄や運び出しなどの片付け作業、書類作成なども行います。
訪問入浴介護の仕事には、介護の資格は必須ではありません。未経験でも働ける場合がありますが、要介護度が高い利用者が多いため、介護の資格を取得している方が望ましいです。
管理者
管理者は実際に入浴訪問介護を行うのではなく、業務の管理を担当する職種です。入浴訪問介護の人員配置基準では、常勤専従の管理者1名が定められています。
ただし管理業務に支障がない場合に限って、介護職との兼務が可能となるケースもあります。管理者の主な仕事はケアマネジャーとの連携の他、人事や会計、労務などです。
管理者も特に資格取得が定められてはいないので、介護職として経験を積むことで目指せる職種です。しかし、訪問入浴介護では要介護度が高い利用者が多く、介護職員の育成を担当することもあるため、介護福祉士などの資格が求められることが少なくありません。
訪問介護の入浴介助と何が違うの?
入浴介助は、介護職員が要介護者の自宅を訪問する訪問介護でも行われています。訪問介護における入浴介助と訪問入浴介護で大きく異なるのが、使用する浴槽です。
訪問介護の入浴介助では利用者の自宅の浴槽を使用しますが、訪問入浴介護では自宅の浴槽を使用することはありません。専用の浴槽を持ち込み、利用者の自宅の水道と入浴車をホースでつなぎ、車内の湯沸かし器で沸かしたお湯を使用します。
介助に当たる人数も、訪問介護と異なる点です。訪問介護はヘルパー1名のみで介助をしますが、訪問入浴介護では必ず看護師1名と介護職員2名以上、要支援1・2の方が利用できる介護予防訪問入浴介護は看護師1名と介護職員1名以上で介助に当たります。
また、訪問介護は入浴介助以外にも食事介助や通院介助、生活援助などの幅広い業務を担当しますが、訪問入浴介護は入浴介助のみに特化した業務を行っている点にも違いがあります。
まとめ
自宅の環境や身体状況などの理由によって入浴が困難となっている要介護者の方にとって、訪問入浴介護は自宅でリラックスして入浴できる介護サービスです。
介護職員としてなら、無資格や未経験でも訪問入浴介護の仕事をするチャンスがあります。介護職としてチャレンジしたい方、入浴介助を専門にしたい方は、訪問入浴介護の仕事を検討してみてはいかがでしょうか。
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